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乾杯の通訳 [通訳]

今日は昼も夜もレセプションパーティの通訳でした。
レセプションの通訳は仕事は最初の数分間だけの場合が多いのですが、いわゆるお国のえらい方々がご挨拶をされるので、きちんと通訳しなければならないという大きなプレッシャーを感じます。集まったお客さんが100人以上ということが殆どですし、スペイン語圏の方は原稿を用意せずに、見事なスピーチをなさる雄弁家が多いのです。
そして、乾杯の音頭の通訳があります。
スピーチは一方向性のメッセージの伝達に近い行為ですが、乾杯は聞き手と一緒に「乾杯」という行為を達成しなければなりません。スピーカーが、挨拶をし、「乾杯」と発声してしまい、会場の皆さんが「乾杯」をしてしまった後に、通訳すると、なんだか間の悪い感じになり、盛り上がりに欠けてしまいます。
そこで、「乾杯」の発声の前に間をおいていただき、そこまで、訳させていただけるようスピーカーに予めお願いをしておきます(もし、お願いするチャンスがあれば・・・)。ところが、話し始めると、それを忘れてしまう方も多く、結局は、皆が乾杯し終わった後、なんとも、意味のない通訳をしなければならなくなることも多いです。
過去には、間をおくのを忘れて、「乾杯」と発声して、会場が乾杯した後、「あ、通訳さんに頼まれていたことを忘れていました!訳してもらってから、乾杯するようにと言われていたのでした!皆さん、申し訳ないですが、もう一度、乾杯をやりなおしましょう!通訳さんに叱られます!」と言って、お客さんを笑わせ、再度、挨拶からやりなおしてくれた方もいました。ところが、二度目の試みでも、また、間をおくことなく、「乾杯」までやってしまって、再度失敗。。。会場は爆笑の渦。三度目のトライで、無事に訳を終えて、会場全員で「乾杯」することに成功し、拍手喝采となり、大いに盛り上がったこともありました。
今日は昼のレセプションでは、「乾杯」の前にポーズをおいてくれ、訳すことができたので、とてもきれいに進行しました。夜のほうは・・・スピーカーが最後まで暴走(通訳からみると)してしまいました。
「乾杯」など、聞き手に「行動」を促す場合の逐次通訳はタイミングが重要です。適切な箇所で通訳させてくださいね!

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